いや~ 今日は広島市内の大手ディーラー様から
VESPAの事故修理の依頼があった為、その車両の引き取りに伺う事にしました。
僕のところはもの凄く忙しいので、
これまで業者さんからの依頼は受けた事がないのですが、
今回、依頼の内容が “車種が特定できないVESPA” なので、
何とかして特定して、できれば修理もお願いしたいとの事だったので、
とても興味がわいてしまいました。
正直なところ “車種が特定できないVESPA” なら
恐らくベトナムで作れらた “インチキフェンダーライト” とか
“バジャジベースの角目のスプリントもどき” とかであろう・・・ と推測しました。
ところが、引き取りに行ってビックリ・・・
最近のVESPAでした (苦笑) 。
[こちらがそのVESPAです。
一見LXですが、フロントがドラムブレーキでキャブ仕様になっています。]
大手ディーラー様のお話では、事故修理にあたりパーツを発注する為、
車体番号から各パーツを検索したところ、全く型式がヒットしないので、
パーツ発注が行えず、お手上げ状態との事・・・
確かに車体番号を調べたところ、正規のLXのモノではなく、
見た事のない長い長い番号の羅列があるだけ・・・(苦笑)。
しかも前記のとおり、新しいモデルなのにフロントがドラムブレーキになっている・・・
さらに付け加えれば、僕はビンテージ車専門です。
新しいVESPAには全く造詣がないので、この謎のVESPAの修理はしたくなかったのですが、
拝見しに行って 『出来ません』 とも言えず、
結局、後学の為、修理をさせて頂く事になりました。
という訳で今日の動画は、
この謎のVESPAを引き取りに行った際に撮影したモノをご覧下さい。
さて、呉の事務所に戻ってから、
ピアジオの輸入元のディ―ラ―さんに問い合わせてみたところ、
『インド生産のLX風VESPAではないか?』 との回答 (ヒント) を頂きました。
ただ、本家本元のディーラーさんがインド製に精通している訳はなく、
事故修理に際して、イタリア製の本物のLXとインド生産のLX風とでは
パーツの互換性が分からないと言われてしまいました。
確かにそうですよね・・・
パーツの発注には車体番号が必要になりますから、
『見た目が似ているから、恐らく使えるであろう』 で発注して、
万が一使えなかった時は僕のお店の不良在庫になってしまいますからね。
こんな感じではパーツをどこへ発注すればイイのかも分からず、
全く身動きが取れないので、とにかく車種の特定をする為、
インドVESPAをキーワードにネットサーフィンしてを探してみたところ
2012年にインドのモーターショーでデビューした
インド産のVESPAで間違いないようでした。
僕の専門外の事ですから、細かい部分までは把握していないのですが、
確か・・・ LX系はイタリア国内で2005年~2006年頃にデビューした車体だったハズです。
なので、恐らく型落ちになったモノを途上国で再販したのだと思われます。
VESPAという会社は過去にも型落ちになったモデルを
廉価仕様にして、色々な国で生産 (再販) して来た経緯があります。
ACMAのスワンック等は有名ですよね。
今日お預かりしたLX風のVESPAもその類ではないかと推測致します。
インド国内での販売価格の関係から、再デビューした際、インジェクションをからキャブ仕様にして
足回りもドラムブレーキにしたのではないか・・・ そんな風に推測しました。
(あくまで僕の経験からの推測です。)
まぁ、時代とは逆行していますが、途上国仕様となれば理解できますね。
今、日本ではVESPAは完全なる嗜好品ですが、インドでは生活や仕事の必需品として
使われているのでしょうから、キャブ & ドラム仕様という点はとても理にかなっています。
ある意味バイク (スクーター) の基本かつ正しい使い方だと思います。
う~む、コレは頑張って修理させて頂くしかないですね。
とても勉強になりました。
ただ、事故の修理なので、外装品を中心に多数のパーツが必要になります。
国内での入手は絶望的なので、パーツはインドで購入するしかなさそうです。
どうしよう・・・ インドに行こうかな (←マジで) 。
ではでは・・・