いや~ ここ最近も各地からご連絡をいただき
忙しくさせていただいているのですが、
中にはちょっと困った依頼があったりします。
先日も広島県の東部在住の方からエンジンの修理依頼が入りました。
その方のVESPAは以前広島市内にあった
某スクーターショップでフルレストアしたモノを購入されたそうです。
ですがそのショップは10年位前に潰れています。
潰れる前というのはよくあるパターンで、お客様からお金をもらって納品しない、
預かった車体をバラバラにしてネットオークションで転売する。
果ては広島市内でVESPAを盗んで、それを分解して、
パーツの色を塗り替えてネットオークションで販売までしていましたから、
もはや犯罪のデパートとしか言いようかありませんね(苦笑)。
実際コレらは警察案件になった話ですから
ここから先は僕の語ることではないので割愛いたしますが、
広島で古くからビンテージ・スクーターを乗っている方なら
みんな知っている事実だったりします。
ですからこの某スクーターショップが潰れるのは当然と言えば当然の事なのですが、
そういったヤバイ所で整備されたVESPA(車体)ですから、
フルレストアとは名ばかりで、
プロから見ると容認できない仕上がりだったりします。
と言いますのも、その某スクーターショップが潰れた後に、
そこでフルレストアされたと言われる車体の修理依頼を受けた事が有ります。
やはりそこで購入されたオーナー様達はかなり困っておられたようで、
4~5台ほど修理させていただきましたが、
どの車体もフルレストアとは程遠い仕上がりだったのでビックリしました。
一番驚いたのがボディのオールペイントです。
そのスクーターショップの仕事はどのVESPAもサンドブラストを打っておらず、
元色の剥離が行われていないのです。
例えば元の色が白だったら、それを軽くペーパーで削って
その上から赤に塗り替えているのです。
素人の方がサンデーメカニックで趣味として楽しまれるのでしたら有りですが、
お客様からお金を頂く場合、元色を剥離しないのはフルレストアとは言えないと思います。
そしてエンジンに関しても分解して清掃後に組み立てているだけで、
クランクシャフトもコンロットもギアも全て中古のまま組み直してありました。
中にはベアリングさえ交換されていないエンジンや、 違うベアリングが入っていて
シャフトがガタガタになっているモノも有りました。
ですから今回、広島県の東部在住の方からエンジンの修理依頼があったVESPAも
そのスクーターショップがフルレストアとして売った車体ですから
見なくても状態は想像できます(苦笑)。
結果から言いますと、そんな所でいい加減に仕上げられたVESPA(車体)の
尻ぬぐいなんてしたくありませんので丁寧にお断り致しました。
ただ、僕も仕事ですから常識的な工賃をお支払い頂ける方でしたら
その潰れた某スクーターショップで販売されたVESPAの改善やバージョンUPはお受けしますが、
今回の方の予算を聞くと、とても修理できるような金額ではなかったですからねぇ~(苦笑)。
『修理代金の予算は組めない』という感じでした。
フルレストアとは名ばかりのVESPAを
かなりの値段を出して買っていらっしゃるようですが、
結果的にそれがポンコツだった事が判明した訳で、
そのポンコツが壊れたから当店で安価に修理してくれっていうのは
ソフトなカスタマーズハラスメントですよね(苦笑)。
はぁ~ (ため息) 相変わらず色々な案件が入ってくる今日この頃です。
しんどいですね・・・
さて、気分を変えてこのあたりで今日の動画です。
今日も作業が終わった夕刻から『海の家』の裏の浜辺へ散策(夕涼み・笑)に行ったのですが、
その際に撮影したモノをご覧頂こうと思います。
今日もお時間がある時に動画にお付き合い頂けますと幸いです。
(この動画はブログ限定です。)