モールトンのレストア Touring-56 (65年 SPEED/VOL2) 4速用トグルチェーン & 蘇る46年前の赤色・・・

いや~ 今日は昨日イギリスから届いた、
モールトン スピードを少しイジってみました。

で、まず、箱を開封して一番困ったのが、
スタメーアーチャーのギアチェンジ部の “トグルチェーン” が、
輸送中に破損して切れていたという事・・・

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[○部分に装着されていた、チェーンが切れていて全く使い物になりませんでした。]

まぁ、たかだかチェーンです。新品パーツに交換すれば簡単に修理出来るのですが、
残念な事に、市場に出回っているいるのは3速用の補修パーツばかりで、
モールトン スピードの4速用のパーツが売りに出ている事は皆無・・・

そこで、考えたのが、現在、僕がストックしている3速用の新品補修パーツと、
壊れてしまった純正の4速用のパーツを合体させ、修理するという方法です。

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[上が純正の4速用、必要なのは写真右側のハブの中に入る部分・・・
下が新品の3速用、必要なのは写真左側のチェーンが付いている部分・・・
と、言う訳でサイズ測り、途中から切断して、必要な部分だけを溶接してくっつけて、
ひとつのパーツにしてから、使用する事にしました。]

そこで、早速、板金の職人さんにお願いして、施工して頂きました。

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           →
[切断後、きっちりと溶接して頂いたので、純正と同じような感じに仕上がりました。]

で、完成後、一度モールトン スピードに装着して、ギア調整をしたところ、
1~4速までスムーズに入り、稼動したので、
何とか “トグルチェーン” の問題は解決しました。

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[装着したら、こんな感じです。見える部分のチェーン側は新品になったので、
結果的にキレイな外観になりました。]

さて、思いもよらない “トグルチェーン” の破損で、時間を取られてしまいましたが、
ここからようやく、本題であるフレームの表面に赤く塗られている、
缶スプレーの色を剥ぐ作業に取りかかりました。


まぁ、『色を剥ぐ』 と言っても、作業は超アナログで、シンナーを使いウエスで擦りながら、
少しずつ色を剥いで行くという、とてつもなく、気が遠くなる作業だったりします。
しかも、缶スプレーの赤色を剥いだとしても、
その下にオリジナルの赤色が残っていると言う保証はありません。

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[試しにリアキャリアのベースフレームの部分の色を剥いでみました。
困った事に、赤い缶スプレーで塗られた下に、さらにもう一度、少し濃い赤が塗られており、
その下から、ようやくオリジナルの赤色が出て来ました。
簡単に言えば、赤色の三層構造になっていたようです。]

この厚塗りの三層構造には、正直まいりました・・・
シンナーで拭けども、拭けども、なかなか色が落ちる事もなく、
『止めようか・・・』 と何度も何度も “心が折れそうに” なったのですが、
缶スプレーの色を剥いで行くと、殆どダメージのない、
1965年当時のオリジナルの赤色が出て来たではないか ! !


コレにはビックリ ! 塗装の割れやビッツもないので、
ボディに大きなダメージが入る前に、缶スプレーで上塗りされた可能性があります。

実際、このモールトン自体が1965年モデルですから、缶スプレーで塗られたのは、
30年位前の可能性もありますね。
こうなると、大変だった色剥ぎの作業も、多少楽しくなって来るモノです。
頑張って、どんどん色を剥いで行きました。

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[左半分の色を剥いだところです。フロントフォークとスリングアームはNGですが、
メインフレームのオリジナルの赤色は70%位残っているので、補修して当時の雰囲気を残しつつ製作する事にしました。]

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[参考までに、こちらがまだ色を剥ぐ前の右半分の様子です。
オリジナルの赤に比べ、少し “朱色のような赤” で上塗りされている事が分かるかと思います。
ちなみに、65年のモールトン スピードの中には、このモデルのように、
前輪が28H、後輪が36Hの変則的はフォーメーションを取っているモノがあります。

過渡期に有りがちな、面白い仕様ですが、僕的には前後共、36Hのアルミリムに交換したいと思っています。]

まぁ、結果的にラッキーな展開になったので、
大変ではありましたが、今後の製作に希望が持てる作業になりましたね。

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[ただ・・・ 大量のシンナーをウエスに付けて剥いていた為、手が真っ赤になってしまいました。
ホームセンターで買った一般的なシンナーですから、業務用のように超劇薬ではないので、
ゴム手袋をする事は視野に入れていませんでしたし、
何より微妙な作業が出来なくなるので、素手で色を剥いでいました。
とは言え、後から考えて見れば、ゴム手袋をして作業をすれば良かったと、後悔しています。]

こんな感じで、手を真っ赤にしつつ、色を剥いだ甲斐があって、
無事に1965年の純正の赤色が、日の目を見る事と相成りました。

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[結局、作業に4時間も費やしてしまいましたが、まずまずの成果がありました。
元色の赤がよく残っていたのもさる事ながら、
『MOULTON SPEED』 のロゴもいい感じで残ってくれているので、コレからの作業が楽しみですね。]

でも、今日はホントに疲れました。
4時間も手作業で色を剥いでいたので、夜になってからは、
手や腕がパンパンに張ってしまい、エライ事になっています・・・

まぁ、その日の疲れがその日のウチに出ると言う事は、
まだ、僕も少し若いって事かな ? (笑) 。

と、言う訳で、今日の動画はですね・・・ 手が真っ赤になったので、
ちょっと季節外れではありますが、真っ赤な秋をご覧下さい (笑) 。

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