今日は夜から撮影でしたが、急遽、事故の引き取りが入った・・・
その為、モデルの女の子にお願いして、撮影を5月に延期してもらい、事故の引き取りに行きました。
クラッチワイヤーが切れたり、パンクとかなら、『ゴメンね、2～3日待ってね』・・・で勘弁して頂くトコですが、
自分のお客さんの事故は最優先です。何があっても、可能な限り当日駆け付け、
事故車をピックアップして、保険交渉や事後の警察への事故処理等の対応に備えます。
まぁ、今日は場合が場合だから、撮影は中止して正解でした・・・
で、今夜は予定を変更して、月曜日から行く、海外出張の準備に専念する事にしました。
正直、準備の時間が無く、気持ち的にも焦っていた部分もありましたが、
今夜、少し時間が取れたので、助かりました。
『準備』と言っても、着替えや、歯ブラシ等の身の回りの物を揃える訳ではありません。
僕は仕事で『ホーチミン』に行きます。
そこで、機械工場と契約してVSHのオリジナルパーツを製作しているので、
プレス金型製作の打ち合わせに行くのですから、『準備』＝『必要なサンプルや設計図の整理』といったトコです。
ご存知の方も多いと思いますが、
今、ホーチミンは世界のスクーターパーツの生産工場と言っても過言ではありません。
ドイツの『S○P』やUKの『マロ○ッシUK』等も、ホーチミンのスクーターショップと提携して、
生産したパーツを販売しています。
面白い事に、どうやら、ホーチミンのスクーターパーツの生産工場は、“おおむね”裏で繋がっているようです。
その為、結構、無理が利きます。
例えば、どう見てもヨーロッパのショップがベトナムで生産しているようなパーツがあるじゃないですか、
そのカタログ写真を見せて、このパーツは手に入らないか? って聞くと、
同じ金型から製作したであろう同じパーツを準備してくれます。
これでは、最初にプレス金型を製作したヨーロッパのスクーターショップの面目は丸潰れですが、
僕にとっては有難い事です。
事実、『P200のパフォーマンスマフラー』や、『アバルトツインマフラー』等は
ネットオークションのバイヤーさんより、10,000円程度安く、僕のホームページで販売する事が可能です。
これは、僕が契約しているホーチミンの工場から直に広島に入るので、
ヨーロッパ経由のパーツより、経費を押さえる事が出来るからです。
しかし、いい事ばかりはありません。
僕が依頼して、金型から製作したパーツが、
今度は反対にヨーロッパのお店にリークしてしまう事例も発生しています(苦笑)。
例えば、50Sのリアナンバーブラケットや純正タイプのマフラー等は、
間違いなく、僕がホーチミンの工場へ持ち込み、金型を依頼して、生産した物なのです。
[金型から造ったのに・・・]
ヨーロッパから、これらのパーツが入荷したら、
広島で原案→ホーチミンで製作→ホーチミンからリーク→ヨーロッパのショップへ→そしてあなたの所へ・・・(笑)。
と、言う事になります。(80%は間違いないと思う・・・)
そのうち、90SS用のデベソホーンが出回り始めたら、VSHの事を思い出して下さい。
[次はこれだ!]
とは言え、リプロ生産は、お金がもの凄くかかるプロジェクトです。
また、法律的な事も気をつけないとイケません。
僕も製作にあたり、うちのお店の専属の弁護士さんに相談したトコ、
『現行のコピーはダメ』(←トーゼン)
『金型の丸コピーはダメ』(厚みやエッジを変える等の変更が必要)
『60年代の絶版パーツは版権の有無を再確認』
『ヘルメットやブレーキシュー等、PL法にふれる物は作らない』等々・・・
十数項目に渡り、事細かく文書で説明を受けました。
まぁ、コレらの事に気を使い、お金を出して金型まで製作した上、ヨーロッパにリークしてしまうのは
残念だけど、反対に言えば、ヨーロッパのショップも同じ気持ちだと思います。
僕は小ぢんまりと、自分の必要なスモールボディのパーツを中心に製作をしていますから、
まだ、笑って済ませますが、色々、金型まで製作した上、世界中にリークしてしまっている事を考えれば、
少々、ヨーロッパのショップに対しては、気の毒だな・・・って感じがします。
なかなかVESPAパーツの裏事情も複雑だったりします。
あれ?出張の準備という話から、話がソレてしまいましたね・・・(笑)。
大きく脱線しましたが、オリジナルパーツの生産は大変と言う事で、今日は締めくくらせて頂きます。
で、今日の一曲は、静かにそ～っと仕事を済ませたい時に最適(笑)・・・
密かに仕事が終わってしまう不思議なナンバー、
『ヘンリーマンシーニ』で『ピンクパンサーのテーマ』を
シャッフルブギのアレンジが一番格好イイ『テーマ4』でお聴き下さい。
次をクリック→[audio:pp.mp3]
明日は一日中、出張の準備で大変です・・・
ではでは・・・
