備えあれば憂いなし・・・

いや~ 今日はエンジンがロックしてしまったVESPAの修理を行いしました。

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[エンジンがロックしたとはいえ、ヘッドとクラッチに焼き付きの症状は有りませんでした。
リングもピストンから離れたままで、キレイな状態です。]

で、結果から言いますと、クランクのビッグエンドが軽くロックしているようでした。

実はこのVESPA、エンジンをフルOHしてから1,200km位しか走行していません。
しかもフルOHの際はRMSの新品のクランクを組み込み、さらに焼き付き対策でトリートメント剤をたっぷり塗って、
金属の表面に膜が出来るような対策をしていた為、クランクが軽くロックした位なら、
潤滑油を入れて少しずつ回転させて行けば、元に戻るのでないか・・・
そんなふうに思いました。

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[結局、クランクのロックを外す為、内部にトリートメント剤を流し込み、
手作業で少しずつクランクの焼き付きを解除する作戦に出ました。]

結構、コレが大変な作業で、ロックが外れてからも、
違和感なくクランキングさせる為、とにかくクルクルと手動で回転させ、
きちんとクランクが回るようになるまで頑張りました。

結果、クランクの様子を見る為、組んではバラし、組んではバラしの連続でしたが、
何とか、違和感なく始動、走行が出来るところまで回復しました。

最近のエンジン用トリートメント剤は非常に性能が良く、
OHの際にベアリングやクランクに塗り込んで膜を作っておけば、
焼き付きも軽減しますし、今回のような軽いクランクロックなら、
何とか現状回復しますから、OH時の一手間がエンジンの寿命を決めるような気がします。

まさに備えあれば憂いなしですね (笑) 。

という訳で、今日はこの修理したVESPAのテスト走行中に撮影した物をご覧頂こうと思います。
エンジン内部にトリートメント剤をたっぷり入れて再組立てしたばかりですし、
初期始動という事でオイルの混合比を倍にして走っていますから、最初は白煙モクモクでスローしないのですが、
走り込むごとにアタリがついて来て、スローするようになります。

いかがでしたでしょうか? ロックしたエンジンでも、色々と条件が揃えば、
エンジンをバラバラにしなくても修理出来るという、幸運なパターンでした。

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[この後、100km位走行すれば、エンジン内部に再度トリートメント剤の膜が出来て、
暑い夏でも安全に乗る事が出来るかと思います。]

で、修理後、早速、お客様のところへお届けに上がる事にしました。
実は今、お預かりしているVESPAの台数が多く、修理が済んだ車両は
少しでも早く出さないと、ファクトリーの中に入りきらないという状態なのです。

何だか大変です・・・ (苦笑)。

という訳で今日2本目の動画は、納車の際に撮影した
夜の高速道路の様子をご覧下さい。

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