いや~ 今日も営業ブログですよ~(笑)。
で、今日ご紹介するのは偶然にも
先日に引き続き1969年製のプリマベラ125です。
[こちらがその1969年型製のプリマベラ125です。
追加写真92枚あります。こちらでご覧下さい。]
非常に貴重なモデルで、VESPAの仕事を33年やらせて頂いておりますが、
これまで7~8台しか扱った事が有りません。
現存自体が奇跡の1台です。
と言っても当店には先日ブログでご案内した赤いプリマベラも有り、
現在は2台の1969年製の在庫があるので『貴重』『レア』とか言っても説得力がないですが(苦笑)、
同時にこの年代のプリマベラが2台入荷する事は奇跡です。
このプリマベラは業者間の買い取りで入荷したのですが、
欠品だらけでスタンドもブレーキも無く“独り立ちしない”状態でした。
ただ、うちのお店は60年代のスモールボディの純正パーツは大量にストックしていますから、
キモとなる当時モノのパーツを全て取り付け、写真のような形まで仮組みしております。
参考までに当店で入荷後に揃えた欠品部品は下記のとおりになります。
①16mm旧型スリムセンタースタンド(60年代純正品)
②16mmセンタースタンド装着用ブラケット(60年代純正品)
③メッキ済みスタンドスプリング(70年代頃の純正品)
④スタンドアンカー(90年代イタリア製リプロ新品)
⑤16mmセンタースタンドゴム(イタリア製Aランクリプロ)
⑥丸パイプリアブレーキアーム(60年代~70年代の純正品)
⑦旧型シート張り替え済み良品(60年代の純正品)
⑧キャブレターバンド(60年代の純正品)
⑨スペアタイヤホルダー(旧型4角マーク入りの60年代純正品)
⑩フライホイールカバー ルーバーが細いタイプ(60年代純正品)
⑪アルミ製ガソリンコック(60年代純正品)
⑫ナンバー台(当店オリジナル製作のリプロ品)
⑬ガソリンタンク(コレだけはビンテージシリーズ用) 等々です。
[通常、コレだけの欠品部品を全て当時モノで揃えるのは無理だと思いますが、
うちのお店はこの年代を専門に扱っておりますので、
ストック庫から引っ張り出して来ました。楽勝です(笑)。]
ただ、先日の赤いプリマベラはとても綺麗でしたが、
今日ご案内するプリマベラはお世辞にも綺麗ではありません。
現状販売のレストアベースです。
リプロで手に入る部品や細かネジ類は揃っておりませんので
後は次のオーナー様がお楽しみ下さい。
以下、細かくご説明致しますので、興味のある方は是非ご検討下さい。
[今回ご案内するプリマベラは現状販売のレストアベースです。
ご自分で整備される方向きのマニアックなVESPAになります。
入手が難しい60年代部品は全て揃えましたので、後は次のオーナー様がお楽しみ下さい。]
この60年代のモデルは後発(70年代以降)のスモールボディとは似て非なり・・・
全く違うモデルと言っても過言ではないです。
まず、ご覧になった方の中には
ウインカーに関して不思議に思われた方も入らっしゃるかと思います。
先日の赤いプリマベラの時と同じ内容になりますが、今回もご説明致します。
皆さんがよく知っているのは、
50Sに装着されているハンドルバーエンドにあるウインカーがお馴染みだと思いますが、
コレは日本仕様車のみの特徴です。
基本的にイタリア本国で販売されていた50S(スモールボディ全般)には
ウインカーが装備されていません。
勿論、日本国内ではウインカーがないとよろしくないので、
(手信号をすれば問題ないですが・・・)
日本販売モデルにはウインカーを別途装着して販売した訳ですが、
僕が今まで整備して来た経験から言いますと、
日本に正規輸入された50S(スモールボディ)に関しては
1978年の途中からバーエンドウインカーが装着されているようです。
で、それ以前のスモールボディに関しましては、
このプリマベラのような丸いウインカーが前後に配置されていました。
ただ、このウインカーの配置(仕様)は前記のとおり、
イタリアから輸出される時に施された物ではなく、日本に入って来た後、
輸入元が国産のパーツを使って装着した物になります。
個人の好みや賛否は有りますが、
この状態こそが1969年に日本のディーラーさんが発売したスタイルになりますので、
この状態で令和時代まで生き残っていたのは本当に奇跡です。
まさにコレが1960年代の日本仕様のプリマベラという訳です!
勿論、レストアされる時に簡単にイタリア本国仕様に戻す事は可能です。
次のオーナー様がご自分の思う仕様で製作なさって下さい。
[前後の丸いウインカーは60年代の日本仕様車の証です。
他にもこのモデルの特徴としてスモール球入りヘッドライト、
シャープレバー、前後の流れ文字バッジ、16mmスリムセンタースタンド等があげられます。
また、スピードメーターは旧型4角マーク入りのレアモデルが付きます。 コレは90SSと同じです。]
[フェンダークレスト、楕円ハンドルキーカバー、丸パイプリアブレーキアーム、
ダイキャスト製ダルマテール等も全てこのプリマベラにしか見られない仕様です。]
補足ですが各部品に関しましても全てレストアや整備、お色直しを前提にお考え下さい。
テールレンズには微細なクラックが有り、装着ネジは欠品です。
また、他のパーツも磨いたりメッキ加工したり板金調整が必要になる事が多々有ります。
辛口になりますが、整備経験のない方や不器用な方には無理ですから
購入はオススメしません。
[60年代の旧型シート(張り替え済み良品)も付属します。酷いダメージは無くいい雰囲気です。
サイドパネルのキャッチはスモールフラップと同じで横にラインが入るタイプです。
車体番号、エンジン番号共に『03XXXX』です。
ご存じのとおりVESPAは車体とエンジンはマッチングではありません。
このプリマベラは24番違いですが、間違いなく工場出荷時のままの状態です。]
このプリマベラは車体番号から解析しますと、1969年の初期ロットかと推測します。
と言いますのも、エンジン番号から追って行きますと、
26番前の番号は1968年式になるからです。
ですから、1969年式とはいえ製品自体は1968年に製造されていた可能性が高く、
ヒストリー的にも面白い一台ではないでしょうか?
あと、もうひとつ重要な注意事項があります。
この年式はシートの右横前にはメインキーが新設されています。(エンジンのON&OFFキーです。)
[このメインキーも日本に入って来てからディーラーさんが後付けした物ですが
現在ではキーシリンダーが外されており、穴が開いたままの状態です。
こちらも1960年代の日本仕様のプリマベラの特徴です。]
[他にも車体を引き取って来た際に細かいネジ類も頂いたのですが、
その中にこの穴に入りそうなキーシリンダーとウインカー用のスイッチらしき部品が有りました。
納車の際には一緒にお付けしますが、状態が不明にて付属の中古部品に関しましては、
前記のとおり全て要整備、レストアを前提にお願い致します。]
[タイヤは前後共60年代モノを履いていますが、ビンテージ品にて交換を視野に入れて下さい。
ボディは目視の限りでは綺麗に見えますが、恐らく上側を簡単に仕上げただけで、
実際はかなり傷んでいると推測します。]
フロアの裏の補強が素人仕事で直されているところを見ると、
状態はそんなに良くないと推測します。
レストアの際は全面ブラストをした後、フロアの張り替えをした方がイイと思います。
少なくとも、当店でレストアする場合はこの施工方法を取ります。
非常に珍しいVESPAですから、お金と時間がある方向きです。
旧車には思い入れや情熱が必要とかよく言われますが、それを否定する気はありません。
ただ、昨今の旧車業界の流れからして、ある程度のお金と時間のゆとりがない人には
所有出来ないカテゴリーになりつつあると思います。
今は国産のビンテージカーでも軽く1,000万円を超えていますから、
趣味の世界も淘汰されて来ており、見苦しい振る舞いをする
ケチな人は排除されつつあります。
まぁ、一長一短ですがビンテージ品がきちんと評価される時代になって来たのは
いい傾向かと思います。
以上、長くなりましたが、興味がある方も少なくないと思いますので、
細かく説明をさせて頂きました。
月々僅かなお支払いで済む分割払いもお受けします。
興味がある方はヴェスパサービスヒロシマのホームページからお問い合わせ下さい。
販売ページはこちらです。
ご予算とお時間の許す方はフルレストアしてからのお届けも可能です。
という訳で今日の動画はこのレストアベースの1969年型のプリマベラ125をご覧頂こうと思います。
お探しだった方はこの機会をお見逃しなく!