いや~ LudwigのBOP (ブラック オイスター パール=ビートルズのリンゴスターモデル) を
手放そうかな~って思っています。
先日、同モデルのレストア品を手放してしまい、いよいよ手持ちとしては、
最後の “リンゴ スターモデル” です。 ただ、最後まで残していただけあって、
大変に珍しい “Transition badge モデル”のBOPだったりします。
まぁ、何はともあれ、詳細をご案内して行きたいと思います。
まず、このBOPのどこがレアかと言いますと、
先にもご紹介しましたが、1958~59年頃、(←資料によると)
1~2ヶ月しかデリバリーされていない、
Transition badge モデルのバスドラムとタムだと言う事・・・
(★間違っていたらゴメンなさい・・・気になる方は、各自で詳細をお調べ下さい。★)
このドラムは、UK在住の現役ビートルズ・トリビュートバンドのドラマーさんから
かなり前に購入した物で、購入した後はお店に飾りつつ、
自分なりのレストア プランを練りながら、眺めていた物なのですが、
最近、自身のバンドが行き詰まり状態で、出番が無さそうなので、
どなたかにご活用頂ければと思い、手放す事を決断しました。
先にも記載のとおり、現役のドラマーさんが、実際に使っていたキットなので、
変態コレクター好みの、超オリジナルではなく、“実戦向き” に改良れている点もありますので、
その辺りの事と、それについて、僕が思う手直しの方法と対策等も、
素人なりに提案させて頂こうと思いますので、
このドラムを楽しむヒントにされて下さい。
まずはバスドラムからです。
当然ながら、20 x 14です。 今となっては20インチはレアですね !
デビュー当時のリンゴスター モデルを目指す方なら、
20インチのバスドラムは外せないでしょう ! (笑)。
[内部はナチュラルウッド仕上げです。
年代を考慮すると、Mahogany/Poplar/Mahoganyの3plyだと思うのですが、
1950年代の資料がなかなか見つからず、
あくまでも1960年代モデルからの推測になります。
気になる方は各自で再度、お調べ下さい。]
[こちらがバスドラムのTransition badgeです。経年から少し緩んでいます。]
[L字シンバルホルダーベースです。
初めて見た時、ホームセンターで買った汎用ステーを駆使して装着したのかな? と思ったのですが、
色々と調べたところ、1950年代のラディックは、このベースで正解でした。
と、いう事は、これは当時からの純正品になるかと思います。]
[レールマウントタムホルダーです。
一見、1960年代モノと何ら変わりがないように見えますが、
実は全然、形状が違っています。
見た目で一番分かるのは、止め穴が2点だと言う事・・・
後続の1960年代モデルは4点になっていますからね。]
この年代のタムの取り付け方法は、タム側ある、
大きな台形のホルダーベース向け、クリップマウントのようなパーツをスライドさせ、
装着させるという方式です。
ちなみに下記がその資料の参考写真です。
[1 が1950年代のタムホルダーです。60年代の物に比べ、
かなり大げさな外観ですが、時代を感じる事が出来て、僕は嫌いじゃないです。
2 がマッチングのレールマウント側です。 フラットな受けパーツでタムをホールドするような感じです。
ちなみに、このレールマウントは50年代の物なのに、止め穴が4点になっていますね・・・
この頃のラディックは過渡期だったんでしょうね。
3 が装着時の様子です。]
上記の写真の取り付け方法が、このキットの (1950年代の) “正” だと思われますが、
僕が購入した際、すでに下記のとおり、変更されておりました。
まずは、レールマウントの方から説明致します。
[1 の部分は50年代のオリジナル・純正パーツです。
2 と 3 は 4 は後から装着されたパーツです。
4 のタムのマウントは、先の “参考写真A” の “1の写真” の
台形のタムホルダーの代わりに装着された1960年代のタムホルダーです。
リンゴスターモデルは、こちらのパーツの方が正解になります。
説明が前後して申し訳ありませんが、3 の部分は1960年代のラディックのオリジナルL字マウントです。
2 の部分は 1 のベース部分と、3 のL字マウントの間に隙が出来て緩む為、
前オーナーさんが、苦肉の策として、鉄プレートを切り、巻き寿司の海苔のような感じで巻いて、
ホールドさせるようにアレンジした物と思われます。
使用する事に際し、別段不具合はありません。]
で、僕が考えた補修プランは、2パターンです。
ひとつ目は、アメリカのビンテージ・ドラムショップに辛抱強く連絡を取り、参考写真Aのパーツ類を集め、
1950年代の純正仕様に戻すという方法です。
この場合、台形のタムホルダーと、それをホールドさせるパーツがあれば、
何とかなりそうです。
もうひとつの方法は、リンゴスターと同じタムマウント (現在装着しているタイプ) を生かし、
現在装着されている、L字マウントをそのまま使い、
その受け部分となる1960年代のパーツだけを入手して、
今、バスドラムに装着されている、レールマウントタムホルダーに合体させ、
使用すると言う方法・・・
僕はこの後者の方法を選択するつもりでした。
まぁ、“合体” と言えば乱暴ですが、同じラディック製の同デザインのパーツを使う為、
1960年代の純正パーツと相違ない外観になると思います。
もっと簡単に言えば、1950年代のパーツ + 1960年代のパーツのコラボと言ったトコでしょうか ? ?
勿論、この際、寄せ集めと言う感覚ではなく、使いやすく、そして見た目もスマートにする為の、
“最強コラボ” と言った方が良いかも ? しれませんね (笑) 。
とは言え、スイボマチックも捨てがたいなぁ~ と、
このドラムを前に思う事もしばしばしばあります。う~む、ビンテージドラムって
奥が深過ぎて、なかなか、気持ちがまとまりませんね (微笑み) 。
さて、このバスドラムですが、フロントには定番の 『The Beatles』 のロゴが貼ってあります。
[ご存知、『The Beatles』 ロゴです。Ludwigの文字がありますが、
はたして、このヘッドはLudwig製かどうか ? ? 判断が付きません・・・]
[ヘッド部分の近影です。よく見ると小さなドッドのような模様が入っています。
かなり古い固体のヘッドのように感じられますが、
ドラムの持つ、古い雰囲気には非常にマッチしていると思います。]
[ウッドフープには経年のからのキズが多数有ります。再塗装すればすぐにキレイになりますが、
僕としては、あまり気にする方ではないので、このまま使うのも “有り” かな ? と思っていました。
ラグやTロッドも経年からのキズやサビが有りますが、サウンドに支障がある物ではなく、
ビンテージの風合いを楽しめる方には、問題のない範囲かと思います。]
で、このバスドラムの中で、外観上、大きく変更されているのが、
スパー (足) 部分です。
[先にも書かせて頂いたとおり、前オーナーさんは、
ビートルズ・トリビュートバンドのドラマーで、実際に頻繁にLIVEで使っていた為、
実用的な近代的なスパーに交換したそうです。
気持ちは良く分かります・・・ 良く分かりますが、このスパーには苦笑いするしかないですね・・・]
[でも、ご心配なく・・・ 純正のスパーも譲って頂きました。
ただ、元に戻す際、エクストラホールが発生する可能性もある為、
もし、そうなった場合、僕はプロの塗装屋さんに補修をして頂く予定でした。]
以上、バスドラムはこんな感じです。
で、続きまして、13 x 9 のタムを説明させて頂きます。
[タムもバスドラムとマッチングのTransition badgeモデルです。
経年からバッヂが少し緩んでいますが、50年以上も前のドラムとしては、美品だと思います。]
[前出の参考写真の際、ふれていますが、元来、このTransition badgeモデルは
台形のタムホルダーが装着されていたのですが、現在は前オーナーの方により、
リンゴスターと同様の1960年代のタムが装着されています。
それに伴い、台形のタムホルダーを外した際の穴を補修した痕が3ヶ所あります。(赤い○部分参照)
この痕もプロの塗装職人さんに依頼して、リペアして頂く予定でした。]
[内装はナチュラルウッドです。丸いマフラーも純正品かと思われます。]
個人的な感覚ですが、先にも書いたように、50年以上も前のドラムにしては、
バスドラムもタムも、大きな凹みや内装の木の剥がれもなく、
状態は良い方だと思います。
さて、続いては 16 x 16 のフロアタムを説明させて頂きます。
[このフロアタムだけTransition badgeではなく、
1960年代のkeystone badges モデルです。シリアルから判断すると1965年になります。
エクストラホールはなく、非常に程度は良いです。
また、写真をご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、
バスドラムやタムとの色の相違もなく、キレイにマッチングしています。]
どう言う訳か? 購入した時から、フロアタムだけkeystone badgesだったのですが、
僕は購入時、そこまでLudwigに詳しくなくて、バッヂの相違もソコまで気になりませんでした・・・
と、言いますか、見た目のオイスター模様が全く同じだった為、
年代の違いとかを考えた事さえありませんでした (苦笑) 。
まぁ、僕のような “大ざっぱな人間” の方が、過度に神経の細かい方より、
(細かいのが悪いと言う意味ではありませんので、誤解のないように ! )
ビンテージ品を呑気に楽しめるような気がします・・・
古い物は現状優先で楽しむのが、僕の考えで、
改良や改造、ましてやキズやサビ等は、そのアイテムが辿って来た、ヒストリーなので、
“ビンテージと言うカテゴリー” を楽しむ為の、大いなるヒントだと思っています。
改良が改造がイヤなら戻せばイイ訳で、サビやキズはレストアすれば済む訳ですから、
お金さえ払えば、何とでもなる訳です。
なのに・・・ 『あそこが違う』 とか 『ここにキズが・・・』 と、
常に文句を言うヤツの気が知れませんね。
まぁ、そう言うヤツはどちらかと言えば、趣味にお金をかける事が出来ないヤツらで、
資料や本しか持ってなくて、実際、本物と言うのを手にする勇気・・・
いやいや・・・ 手にする経済的なゆとりがない為、言う事がケチっぽい文句ばかりになるんでしょうね。
別に僕はお金持ちでもディープな趣味人でもありませんが、
価格相応と言う意味を理解して、自分の買える範囲で趣味を楽しんでいます。
ですから、この感覚が合致しない、何でもかんでも、安価に物を手に入れる事を美徳とする
エセ趣味人のヤツ・・・ と言うか、過度にケチなヤツとは話が全然合わないですね~ (苦笑) 。
まぁ、ビンテージドラムと言う、大人の高尚な趣味の世界では、
そんなにケチでチンケなヤツに合った事がないので、安心していますが、僕の本業であるVESPAの世界は・・・
あぁ~ 知らない間に愚痴になって来ましたので、コレ以上書くのは止めましょう!
話が大きくソレ始めましたので、内容をフロアタムの説明に戻りますね (苦笑) 。
[内装はホワイトです。コレは純正です。
マフラーは取り外されています。この年代はべースボールバットマフラーになります。]
さて、今回、この3点の他に 14 x 5 のジャズフェスティバルもありますので、
お付けします。
[シリアルから判断すると、1965年のジャズ フェスティバルです。]
あまりにもキレイ過ぎる上、風合い違うので、リワープだと思います。
ベースボールバットのマフラー付きです。
また、前オーナーさんが音が出して、LIVEに使うのが前提と言う、
実用派の方だった為、スナッピーは最近の台湾製が装着されていました。
今回、写真を撮影するまで、気にもした事がないので、全く気付きませんでした・・・]
その他、テンションボルトを見たところ、長い物、短い物、はたまた、ワッシャーが数枚入っていたりと、
まぁ、使えればいいや・・・ 音が出ればいいや・・・ 的な香りがプンプンするスネアですが、
とにかく、キレイにリワープ、レストアされています。超美品です。
気になる方は全てパーツを交換されてからお使い下さい。
ちなみに僕は全然、気になりませんでした。
もっとも、1960年代モノのジャズ フェスティバルですから、
リンゴスターの “あの音” は出ると思いますよ (笑) 。
同系のジャズ フェスティバルの音がお聴きになりたい方は、
こちらでお聴き下さい。
正直、1960年代のジャズ フェスティバルは、人気があり、高値で取引されていますから、
持っていて損のないスネアだと思いますよ。
以上がLudwigのBOP (ブラック オイスター パール = ビートルズのリンゴスターモデル) の
Transition badgeのご案内でした。
希望価格は558,000円です。
勿論、ローンもOKですから、本気でご購入をお考えの方は
お気軽にご相談下さい。
このキットは一流専門店様では150万円以上で販売されており、
普通、この価格で入手する事は難しいかと思います。
しかも、レアなTransition badgeですから、
お値打ち品だと思いますよ。
僕としては、細かくメンテナンスして、自分のバンドで使用するつもりでしたが、
現在、バンドの方が暗礁に乗り上げてしまい、ドラムを使う予定が無くなってしまった為、
手放したいと考えた次第です・・・
ところで、この558,000円と言うのは、現状販売での価格です。
しかしながら、前オーナーさんが、この状態でLIVEで使っていたので、
ドラムとして、音を出すと言う事に関しては、何ら問題なく出来ます。
明日、LIVEで使う事も可能です。
ただ、ご自身の好みでヘッドを交換したり、各部を補修したり、
パーツを交換して、自分仕様にして頂くと言う事を前提での、
現状販売と言う意味です。
実際、趣味半分でかなり前から持っていたドラムなので、売り急いでいません。
ですから、『よ~し、買ってやろう』 って言う、
リンゴスター好きのドラマーさんが出で来るのを気長に待とうと思います。
それでは、宜しくお願い致します。