VESPA50S & 100 ビンテージ・シリーズ 初期モデルの解析・・・

いや~ 今日も昨日の続きで
70年代仕様のフレームに後発の6mmのキーシリンダーが入る
過渡期の超レアモデルの解析(解説?)をさせて頂こうと思います。

ただ、今日のお話しは僕が37年間VESPAの仕事をさせて頂いてきた中で
感覚的に感じた事ばかりですので、不確かな事もあります。
あくまでファジー(←死語・笑)に聞き流して下さい。

僕が初めてVESPA50Sを買ったのは1982年(昭和57年)で、
高校2年生の時の事です。
この頃、ちょっとしたアイビーブームだったと記憶しております。

今ならこっ恥ずかしくてとても着れませんが、
赤いフランネルのブレザーにレジメンタルのタイとかして、イキッておりました(笑)。
ですから当時(昭和50年代後半) VESPAのイメージはモッズよりも、
こういったアイビールックの要素が強かったように思います。


事実、アイビールックに後押しされるように
VESPA50Sは1980年(昭和55年) には輸入台数がピークだったようです。

僕が1982年(昭和57年)に購入したVESPA50Sは
1980年(昭和55年) に大量に輸入された車体が中古車として出回っていたモノでした。

余談ですが、1980年が輸入のピークだった事を裏付ける事ができる話が有ります。
僕がVESPAのお店を始めたのは1987年(昭和62年) なのですが、
この頃に扱っていた中古車がほぼ1980年型だったからです。
中古車を買い取るとほぼ1980年型でした(苦笑)。
それだけ一台ブームが起こってVESPA 50Sが売れていたんだと思います。

それでもたまに1979年型とか1978年型も有りましたが、1977年以前の車体は
並行車でない限りまず見る事は有りませんでした。

その後はと言いますと、1981年~1984年型の正規輸入車というのを
ほぼ見た事がありません。

そして次の年の1985年型(昭和60年) になると何度か見た事が有りますが、
スペックは1980年型と全く同じなので、ビンテージシリーズとは異なると思います。

ただ、ここで始めてハンドルロックが4mmから6mmに改変されております。
実際に1985年型のハンドルロックを交換した事があるので、間違いありません。

そう、70年代仕様のフレームに後発の6mmのキーシリンダーが入る
過渡期のモデルがここで登場する訳です。

で、それからほどなくして、1987年から成川商会が
正式にビンテージシリーズのデリバリーを開始したのですが、
この初期ラインが全て70年代仕様のフレームに後発の6mmのキーシリンダーが入る
過渡期のモデルではないかと推測します。

ただ、中古車市場で1986年型と1987年型を見かける事は皆無で、
過渡期のモデルに限っては1985年と1988年に集中しているように感じます。
(あくまで主観です。)

その後、1989年頃からVESPAの再ブームが起こり
街中で50Sを頻繁に見かけるようになる頃には、
過渡期モデルの生産は終了して、全てビンテージシリーズのフレームになっておりました。

そして1995年のブリットポップ全盛期をピークに
VESPA&LAMBRETTAのブームが巻き起こったという訳です。

話が長くなってしまいましたが、こういった経緯から
今回レストアをさせて頂くビンテージシリーズ初期のVESPA100は
非常に台数が少なく、大変に貴重なモデルになる訳です。
お分かりかな、諸君(笑)。

余談ですが、下記の写真が参考資料です。

[こちらが一般的なビンテージシリーズのハンドルロック周辺です。
イタリアらしい美しいデザインですから、この年式も大変に魅力的です。]


[こちらが70年代仕様のキーカバーが装備された
ビンテージシリーズ初期型のハンドルロック周辺です。
赤い部分の横幅が6mmになっているのが大きな特徴です。
通常70年代仕様は4mmですから、歴史的にも貴重なモデルといえます。]

と言う訳で今日の動画は
このハンドルロックの部分をご覧頂こうと思います。

動画内での説明はかなり “はしょって”おりますが(笑)、
ブログを読んで頂いた後でご覧になるのでしたら、
内容がお分かり頂けると思います。
今日もお時間のある時に動画にお付き合い頂けますと幸いです。

(この動画はブログ限定です。)

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